
本校では毎年11月に、小学部を対象にした定期テストを実施しています。これまで「進級テスト」という名称で行ってきたこの試験ですが、今年度より「学力確認テスト」へと名称を変更いたしました。ただし試験内容や実施方法に変更は一切ございません。
「進級テスト」という名前から、成績によって進級が左右されるのではないかと心配されたり、「あの学校はテストで進級をふるいにかけるらしい」といった誤解が広まったりしたこともありました。
私たちがこのテストを実施する最大の目的は、その時点での学びの定着を確認し、必要に応じて再学習の機会を与えることにあります。つまり、「次の学年へと安心して進むための確認の場」として位置づけています。
保護者の中には、「ギリギリで合格するよりも、むしろ不合格の方がよい」とおっしゃる方もいます。これは、結果が合格点に届かなかった場合でも、その後に用意されている課題を通じて、もう一度じっくりとふり返り、理解を深めることができるからです。点数だけで評価を終わらせるのではなく、もう一度じっくり学習する機会を与えることこそが、私たちの教育のあり方です。
また、このテストには「勉強を通じて自分の力を試す」という大切な意味もあります。保護者の皆さまの中にも、学生時代に「この範囲が出るかもしれない」と“山をかけて”勉強した経験がある方も多いのではないでしょうか。もちろん、出題範囲と異なり「外れた」と感じたこともあったかもしれません。
しかし、本校の「学力確認テスト」では、漢字・言葉・音読の分野に関して、事前にお渡ししている範囲とテスト勉強用のプリントから多くが出題されます。つまり、テスト勉強に取り組んだ分だけ成果につながるテストです。だからこそ、「やればできる」という達成感や手応えを得ることができるのです。
テスト勉強を通して得た知識や考え方は、確実に身に付き、今後の学びにもつながっていきます。
テストを前にすると合否ばかりに気持ちが向きがちですが、本当に大切なのは「そこに向かってどのように取り組んだか」というプロセスです。計画を立て、自分なりに工夫しながら勉強する。この一連の経験が、将来につながる学習力や自己管理能力を育んでいきます。
11月15日の学力確認テストは、お子さん一人ひとりがこれまでの学びをふり返り、自信を持って次の学年へと進むための大切な機会です。そしてその過程には、無駄なことなど一つもありません。もしうまくいかなかったとしても、それをバネにしてまた前を向いて進む力をつけることができれば、むしろ大きな意味を持つものになるでしょう。どうぞご家庭でも、お子さんの努力を認めながら、前向きな声かけをお願いいたします。

VCE会話試験を終えて、次の挑戦へ
同じく「テスト勉強の大切さ」という点では、VCEコースの生徒たちの姿がまさにその象徴だったと感じています。
10月に実施されたVCEの口頭試験に向けて、生徒たちは本当に多くの時間をかけて準備を重ねました。土曜日の授業時間以外にも、Zoomで何度も個別練習を行い、問いに対する自分の意見を深めたり、言葉遣いや話すスピードに注意したりと、細かな部分まで工夫を凝らしながら取り組みました。
どの生徒も「これ以上の準備はない」と胸を張って言えるほどやりきりました。送り出す私も、自信をもってその背中を押すことができました。
VCE試験も当然、最終的には点数で結果が出ます。それは進路にも直結する重要なものであるため、生徒たちにとって大きなプレッシャーとなります。しかし、その結果に至るまでの過程には、言葉では表せないほどの努力と成長が詰まっています。特に、これまでのように「親や先生に言われるから勉強する」といった受け身ではなく、自分の目標に向かって自ら努力して学習するという経験は、人間としての自信にもつながる大切な学びになると信じています。
現在、生徒たちは口頭試験の緊張から解放されたのも束の間、筆記試験の準備に取りかかっています。すぐに次の課題がやってきますが、これも一つの山です。これまで培ったリスニング力、読解力、作文力を発揮する大切な場となるでしょう。
補習校での11年以上の学び、そしてVCEという大きな挑戦。これらの経験がどのような形で将来に活かされるかは、今はまだわかりません。しかし、努力してきた事実は消えませんし、自分の力で壁を乗り越えた経験は、生徒たちにとってきっと「自信」となり、「武器」となることでしょう。
最後に
小さな積み重ねの先にある「やればできる」という実感こそが、子どもたちの自信と成長につながります。学力確認テストも、VCEの試験も、すべては将来への通過点に過ぎません。お子さんがどのような結果を得たとしても、そこまでの努力と歩みには必ず価値があります。ぜひご家庭でも、結果だけに目を向けるのではなく、そこに至るまでのプロセスや頑張りにも目を向け、温かく見守っていただければ幸いです。
- 持永 真帆
- メルボルン補習校 教頭
日本で小学校教員として勤務した後、2004年、留学のためメルボルンへ渡る。現地で教員免許を取得し、現地校にて日本語を指導。その後、2012年よりメルボルン補習校に勤務。出産を機に現地校・補習校での勤務を一時離れるが、2019年のVCEコース開講に伴い補習校に復帰。現在は教頭として学校運営に携わるとともに、VCEコースの指導も担当している。





